金メダルの価値

現在開催されているオリンピックのゴルフ競技で与えられる金メダルの価値については8月1日のブログに書いた。

https://worldgolfinformation.com/2024/08/01

4つのメジャー大会優勝とオリンピックの金メダルの価値について、はっきりと数値で比較できるのが、世界ゴルフランキング上で付与されるポイントの数だ。

4つのメジャー大会の優勝者に与えられるのは100ポイントだが、今回男子ゴルフで優勝したアメリカのスコッティーシェフラーに与えられたのは約50ポイント。ポイント数でみると、金メダルの価値はメジャー大会のわずか半分しかないことになる。

メジャー大会には世界ランキング上位の選手がこぞって出場する。しかし、オリンピックでは「国しばり」があり、1つの国から出場可能な選手数に制限がある。また、4つのメジャーはだいたい150名の選手が出場し、予選カットがおこなわれるが、オリンピックは出場者が60名で、予選カットはおこなわれない。

出場する選手の数の少なさ、選手層のうすさ、予選カットがないことなどから、オリンピックの優勝者が獲得するポイントは50点に設定されている。

あるゴルフウォッチャー氏の調査では、ゴルフが復活した2016年のブラジル大会で優勝したジャスティン ローズは当時世界ランキング12位だった。2021年の東京オリンピックで優勝したエグザンダー シャフレは5位。そして、今回のパリオリンピックで金メダルを獲得したスコッティー シェフラーは世界ランキング1位の選手だ。回数を重ねるごとに、だんだん世界ランキングのより上位にいる選手が優勝する傾向がみてとれる。

4つのメジャー大会は選手の国籍は問わない。実力さえあればどの国の選手であっても出場資格を得ることができる。選手は出身国のことは意識することなく、あくまで個人としてプレーする。

しかし、オリンピックは自分が生まれ育った国を代表し、ある意味国を背負って対戦する。幸運にも優勝して金メダルを獲得すれば、表彰台のいちばん高いところにあがることができて、国歌が演奏される。

ある意味ではひとりひとりの選手というよりも国家がたたえられる。表彰台の上で選手がその時に感じるのは、優勝した喜びとともに母国へ貢献することができたという達成感なのではないか。もしそうだとしたら、金メダルの価値はメジャー大会で優勝することとは少し異なるところに大きな価値がありそうだ。