欧州の男子プロとアメリカの男子プロがチーム戦で戦う「ライダーカップ」は、来年の秋にアメリカのニューヨーク州のベスベージブラックコースで開催される。
ライダーカップ欧州チームのメンバーになるためには、今シーズンのDPワールドツアー(旧欧州ツアー)の大会に4試合以上出場しておかなくてはならない。欧州出身の選手でも有力な選手は米PGAツアーを主戦場としてプレーするために、このような規定がある。
来年の「ライダーカップ」の欧州チームのキャブテン、ルーク ドナルドは昨年のローマ大会に続いて勝利をおさめるため、LIVゴルフに移籍したジョン ラウムにどうしてもチームに加わって欲しいと考え、ずっとコンタクトをとっている。昨年の「マスターズ」に優勝し、メジャータイトル2つめを手にした力のある選手だからだ。ローマ大会には昨年の「全米プロ選手権」に優勝したブルックス ケプカが、LIVゴルフの選手ながらアメリカチームに加わってプレーした。
ラウムは今シーズンわずか1試合したDPワールドツアーの試合に出場しておらず、秋にかけて開催される3試合にエントリーして出場する意欲をみせているが、ひとつ障害があるようである。
DPワールドツアーのメンバーであった選手がLIVゴルフに参加した後に、DPワールドツアーの試合に出場しようとしたときは、罰金を支払わなくてはならない。その額は同じくLIVゴルフに移籍したセルジオ ガルシアのケースで10万ユーロと言われている。罰金の支払いについてはすでにスポーツ裁判所の判例が出ているのでどうしようもできない。
しかし、ラウム本人はDPワールドツアーが、LIVゴルフに加わった選手に制裁として罰金を科すという点にどうも納得がいかないらしく、態度を決めかねているようだ。欧州を代表してライダーカップに出場したいという気持ちはあるが、かといって罰金を払う必要があるのか。
ラウムはこれまで、米ツアーで11勝、欧州で10勝、LIVゴルフでも1勝あげ、LIVゴルフへ移籍するときには多額な契約金を得ているので、罰金を支払うことには経済的にはまったく問題ないはずで、本人の気持ちの問題だけだろう。
来年の「ライダーカップ」にジョン ラウムが出場するのかしないのか、これは間違いなく勝敗を大きく左右することになる。