タイガー ウッズとローリー マキロイが主導するTLGが、来年1月からスタートするチーム戦のスケジュールを発表した。これまでの経緯については5月に記したプログをご一読ください。
試合は平日の夜のゴールデンタイムに2時間程度、スポーツチャンネルでテレビ中継されることになっている。
従来のゴルフトーナメントは、150名あまりの選手が出場して2日間プレーし、上位約半分の選手が決勝ラウンドに進み、さらに2日間プレーして最小ストロークでラウンドした選手が優勝する。
しかし、1つの試合の結果が出るのに4日間もかかるのは他のプロスポーツと比較してあまりにも長すぎるし、ファンが注目するのは最終日のバックナインのプレーだけといって過言ではない。また会場に足を運んでも、テレビで観戦するにしても、すべての選手の1打1打のプレーを見ることは不可能である。
また、ゴルフは個人としてプレーするので、実力と人気がある選手には多くのファンがつくが、決して組織だったものではない。もしその選手が怪我をして、長い間試合に出られなくなれば、ファンは他の選手に流れてしまうだろう。
そうではなく、ゴルフを複数の選手によるチームとして戦い、ある都市をフランチャイズとする。するとサッカー、プロ野球、プロバスケットのように地元で試合をおこなうときには、多くの熱狂的なサポーターの支持をうけることができる。怪我をした選手がいれば、チームの他の選手がカバーして支え合う。チームのオーナーも、個人ではなくチームであればリスクが小さくなるので、戦力アップのための投資をおこないやすくなる。
また、ひとつの試合はフィールドの中、コートの中でおこなわれ、会場に足を運んだファンは、出場するすべての選手のすべてのプレーを観ることができる。自分の視界に入らないところでおこなわれるプレーはまったく存在しない。
そして、プロサッカー、プロバスケットは1試合にかかる時間が2時間から4時間程度で、それで試合の結果が出てしまう。4日間もかかったりしない。
50代、60代のゴルフファンにとっては、これまでのゴルフの試合形式に慣れ親しんでいるので、ゴルフをチーム戦でといわれてもかなりの抵抗がある。
しかし、これからゴルフを始める若い世代の人、特にタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する世代にとっては、受け入れられていくのかもしれない。来年から始まるTLGがどう評価されるのか、今の時代にあったゴルフの在り方を模索する動きに注目していきたい。