プレジデント カップ

アメリカチームと国際チーム(欧州を除く)による対抗戦「プレジデントカップ」が終了し、18.5対11.5の成績でアメリカチームの大勝となった。

初日は実力にまさるアメリカチームが5―0と全試合に勝利したが、2日目はお尻に火がついた国際チームが背水の陣で臨み、5試合すべてに勝って対戦成績を5-5の五分とした。しかし、国際チームの反撃はここまでで、残りの2日間でじわじわと点差をつけられ、終わってしまえば大差で、アメリカチームに敗れてしまった。

これでアメリカチームの10連勝となり、アメリカは対戦成績を13勝1敗1分とした。アメリカは世界で一番レベルの高いツアーを持ち、メジャー大会が3つも開催される国である。ジュニア、高校、大学での選手の育成システムも整っており、選手の才能が開花しやすい環境が整っている。また、公用語が英語なので世界中のほとんどの国の公式戦で英語を使用してプレーをおこなえる有利さもある。

また、アメリカにとっては毎年チームを形成して戦えるという機会に恵まれている。欧州チームと対戦する「ライダーカップ」が開催されない年に、「プレジデントカップ」がおこなわれるからだ。ゴルフ本来のプレー形式であるが、今日のトーナメントはほとんどがストロークプレーでおこなわれているので、マッチプレー特有の相手との駆け引きを磨く機会が国際チームのほうはどうしても少なくなる。

かつて、スペインのセベ バレスレロスは2年に1度しか「ライダーカップ」がないことは、欧州チームにとって不利だと考え、ヨーロッパとアジアが対戦する「ユーラシア カップ(EurAsia Cup)」構想を強く進めていった。

2014年、16年、18年とライダーカップがない年に、マレーシアを舞台に3度開催されたが、推進役であったバレステロスが腫瘍のために54歳の若さで亡くなったことなども影響し、その後は開催されていない。

アメリカチームの優位性が歴然となってくるにつれて、コースに足を運ぶ人もだんだん少なくなり、テレビで観戦する人も減ってくる。結果がわかっている試合ほど観ていておもしろくないものはない。2年後の2026年の「プレジデントカップ」はアメリカのシカゴで開催されることが決まっている。地元開催の利点があり、アメリカチームが勝利するのは明らかである。

女子選手を入れて混成チームとして対戦する形にするのか?ライダーカップのように4日間ではなく3日間大会にするのか(前週の試合からの休養日が1日多くなる)?LIVに移籍した選手の出場を認めるのか?

主催者である米PGAツアーは、ファンのあいだに「今回は果たしてどちらのチームが勝つのだろう?」と思案するワクワク感を取り戻すために、何らかの対策を講じる必要がありそうだ。