ライダーカップ

2年に1度、ヨーロッパの男子プロ選手とアメリカの男子プロがチーム戦で戦う「ライダーカップ」は、来年アメリカのニューヨーク州ベスベージ ブラックコースで開催される。

第1回目の大会は1927年におこなわれ、第二次世界大戦中の中断があるので、来年の45回大会は約100年の歴史を刻む大会となる。「ライダーカップ」はお金のためではなく、国の名誉をかけて戦うため、必要経費を除いては無償で選手は参加していた。

しかし、来年の大会で大会を主催するPGAアメリカは、アメリカチームの出場者ひとりに対して40万ドルを支払うことを決めた。現在PGAアメリカはトップが新しくなることになっていて、新しいトップが決まり承認がおりれば、正式に発表されることになっている。

ただ、もう一方の主催者DPワールドツアーは今のところユーロチームの一員として出場する選手に対する報酬を支払う予定はない。

いくら名誉のためといっても無償というのはひどいと声をあげた選手はこれまでにいた。古くはタイガー ウッズやディビッド デュバルらが、人気のある大会で主催者は多くの利益を得ているのだから、出場する選手にもその利益の一部を分配してほしいと主張したことがあった。

昨年イタリアで開催された大会では、アメリカチームのパトリック キャントレーが無償なのは納得がいかないと、抗議の意味を込めて試合中にUSAの文字の入った帽子をかぶらなかった。

時代はかわり、名誉のためだけに働くというのが、若い選手には受け入れられにくくなってきているのかもしれない。選手としてはお金、お金しているという批判を浴びることはとても心外なことで、プロである以上3日間プレーすることに対する正当な対価を要求して何が悪いのかという気持ちなのだろう。

ただ問題は、来年おこなわれる「ライダーカップ」でアメリカチームのメンバーには40万ドルが支払われ、ユーロチームの選手には必要経費程度しか支払われないというのであれば、両チームの士気のレベルに大きな差が生まれてくるのは明らかだ。ユーロチームを派遣するDPワールドツアーの早急な対応が求められる。