米PGAツアーは、「ザ セントリー」に続いて「ソニー オープン」がハワイで開催される。「ザ セントリー」を圧倒的なスコアで勝利した松山英樹は、この「ソニー オープン」を2022年に優勝しており、2度めの優勝と2週連続優勝をめざす。
昨年の「ソニー オープン」を優勝したのはグレイソン マレーという選手で、3選手によるプレーオフとなった1ホール目で、39フィートの長いバーディーパットをきめ、劇的な勝利をおさめたのでご記憶の方があるかもしれない。マレーにとってはこの優勝が7年ぶりとなる米ツアー2勝目だった。
しかしマレーはこの優勝の約4か月後に、30歳で自らの命を絶った。彼は数年来、うつ病とアルコール依存症とたたかいながらプレーを続けてきて、そのことをかくすことなく公言していた。
今年の「ソニー オープン」の開催にあわせ、マレーの遺族が「グレイソン マレー基金」を設立したことを発表した。こころの病や依存症に悩むひとたちに救いの手を差しのべることを目的としている。
グレイソンは米ツアーで2勝、下部ツアーで3勝をあげた知名度を利用して、存命中から同じ悩みをもつ人々にたいして積極的にかかわりをもってきた。遺族はその遺志をつぎ、経済的に治療を受けることが難しいひとや、どこに相談すればいいかわからない人々に対して、基金をつくることによって援助が届き、ひとりでも多くの人たちを救うことを願う。
そして、最愛の息子を失った家族は、グレイソン マレーの名がいつまでも人々のこころの中で生き続けることを願う。