「全米オープン」を主催するUSGA(全米ゴルフ協会)は、LIVゴルフ所属選手のうちシーズンランキング上位者に対して、今年6月にペンシルベニア州のオークモントCCで開催される第125回大会への出場権を与えると2月5日発表した。
LIVゴルフのシーズンを通したランキング(5月19日時点)の上位者のなかで、すでに「全米オープン」への出場資格を有する選手を除き、上位3名の選手に出場資格が与えられることになる。
これまで、LIVゴルフの大会には予選カットがない、3日間の大会であることなどの理由で世界ランキング算出のもととなるポイントが付与されず、LIVに移籍した選手のうち、ほんの一部の選手を除いて世界ランキングの順位は下がる一方であった。
ランキング50位以内にいれば「マスターズ」をはじめすべてのメジャー大会に出場可能となり、60位以内であれば「マスターズ」以外のメジャーに出場することがでる。しかし、移籍時には出場資格をもっていたLIV所属の選手も、その数は次第に少なくなっていった。
LIVに移籍した選手は、移籍すると米PGAツアーの大会には出場できなくなるが、実力を保てばメジャー大会には出場はできるという言葉を信じて移籍を決めた選手も多くいて、完全に裏切られた格好だった。
昨年の「マスターズ」には、その前の年のLIVゴルフツアーでいい成績をおさめたチリのワッキー ニーマンという選手が特別招待されて出場した。ただこれはあくまでスポット的な出場権であって、今回のUSGAの決定は恒常的な出場権の付与となる。
LIVゴルフと米PGAツアーが一緒になってひとつのツアーを運営すると発表されてからしばらくたつが、なかなかその全体像が見えてこない。そんな中、「全米オープン」を主催するUSGAの今回の決定は、LIVゴルフ所属の選手にとっては大いに歓迎されるはずだ。LIVゴルフで頑張っていい成績をあげれば、メジャーへの出場権がもらえると。
また、ファンの立場から言っても、世界トップクラスの選手の一部が欠場したなかで、メジャーチャンピオンが決められるという事態が徐々に解消されるということは喜ばしいことだ。