今週米LPGAツアーでは今季最初のメジャー大会「シェブロン選手権(旧ANAインスピレーション」が始まった。優勝者が表彰式後に18番グリーンそばの池に飛び込むことが伝統となっている大会である。
この大会に歴代優勝者の資格でヤニ ツェン(36歳)が出場し、初日は2オーバーのスコアで77位タイにつけた。ツェンは台湾女子ゴルフ界が生んだスーパースターである。2010年と2011年にメジャー大会を2度ずつ勝ち、2011年から2013年にかけて109週間世界ランキング1位の座についた。また米女子ツアーで通算15勝をあげた。どんな選手か興味のあるかたは、スマホでYani Tsengと打って画像検索を。
そのツェン選手が、2012年に15勝目をあげてから13年間まったく勝てなくなって今に至っている。試合後のインタビューに答えたツェンは、不調の原因は短いパットがどうしても入らなくなるイップス病に悩んでいたと話した。
「パターの種類を変えたり、パターの持ち方を変えたり、長尺パターも試してみたがいっこうに改善しない。そんななか昨年彼女のコーチがパターを左打ちにかえてみたらと提案してくれた。試してみるとなかなか自分に合っていることがわかった。だからこの試合でもパターを左打ちで打っている。」
ドライバーやアイアンは普通に右打ちで打って、パターだけ左打ちで打つ選手というのはこれまで聞いたことがなく、おそらくツェン選手が初めてではないだろうか?ドライバー、アイアンのスイングについてはさまざまな理論があって、理論にかなったスイングが結果を生むとよく言われる。
しかし、パッティングに関してはメンタルな要素が非常大きいため、各プレーヤーの感覚にフィットするものが一番効果的とされる。ツェン選手の今後の活躍、とくにパッティングに注目である。