格上げ大会

今週は米PGAツアーで「チャールズ シュワブ チャレンジ」がおこなわれており、来週はオハイオ州でジャック ニクラウスがホストを務める「ザ メモリアル トーナメント」が開催される。

「ザ メモリアル トーナメント」は格上げ大会(signature event)に指定されているので、昨シーズンのフェデックスカップポイントで上位70名にはいったトップ選手には出場義務がある。

格上げ大会とは、LIVゴルフに選手が流れることを防ぐため、出場選手の数を絞り賞金総額を大幅に増額し、予選カットをなくし出場選手への賞金を手厚くした大会のことで、米PGAツアーが2年前に創設した。米ツアーはシーズン終了時にツアーへの貢献度の高い選手にボーナスを支払う。その査定対象には格上げ大会への出場回数が含まれている。

なので、トップ選手は日程的に厳しいときでも格上げ大会への出場義務を果たしてきたが、最近この義務を果たさないトップ選手の姿が目立ちはじめた。

来週開催される「ザ メモリアル トーナメント(5/29 – 6/1)」には世界ランキング2位のローリー マキロイが出場しないことがわかった。マキロイはその次の週に開催される格上げ大会ではない「RBCカナディアン オープン(6/5 – 8)」への出場を優先させたようだ。

マキロイは「RBCカナディアン オープン」との相性が非常にいい。過去4回の大会で2度の優勝を果たし、残りの2大会もトップ10以内の成績を残している。また、マキロイはカナダでなぜか非常に人気があり、マキロイコールがギャラリーより沸きおこる。彼にとっては非常にやりやすい大会のようである。

また、マキロイは今年の「マスターズ」で優勝したあと、その翌週に開催された格上げ大会「RBCヘリテージ」への出場を見送って、北アイルランドに住む両親のもとへ優勝の報告をしに帰国した。

世界ランキング1位のスコッティー シェフラーは、「全米プロ選手権」の前の週の「トゥルーイスト選手権」が格上げ大会であるにもかかわらず、欠場して調整に充てた。そして「全米プロ選手権」では見事優勝し、メジャータイトル3つめを手にした。

2週続けて大きな大会でプレーすることは、選手にとって肉体的にも精神的にもきつい。ましてや最終日に優勝争いの中に加わったりすれば、相当な疲労感が残ってしまう。トッププロとしては年間スケジュールのなかで4つのメジャー大会を、あるいは優勝経験があり得意とするコースの大会を最優先に考えてプレーしていく。十分に理解できそうである。