マキロイのコメントの波紋

ローリー マキロイ(36歳)が、「全米プロ選手権」で使用していたドライバーが不適合と判定され、かわりのドライバーを使用してプレーしなくてはならなかったこと、大会中4日間ラウンド後のインタビューをすべて拒否したこと。(最終成績は47位タイ)

そして、3週間後に開催された「RBCカナディアンオープン」の試合前の記者会見で、マキロイが「現状ラウンド後の記者会見は規則によってきまっているわけではないので、選手にとってそれを拒否する権利というものがあるのではないか?」と述べたことが波紋を広げている。

選手にとって、優勝したあと、いいスコアでラウンドしたあとや予想外に上位の成績をおさめたときなどは、ラウンド後の記者会見を進んで受ける気分になるだろう。

しかし、最終日に自滅したり思わぬミスで優勝を逃した時、大たたきをしたラウンドのあと、予選落ちが決まったあとなど、メディアに接することは苦痛以外の何ものでもないだろう。

メディアは遠慮なく触れてほしくないところを突いてくる。そこは普通なら聞けないだろうというところを、視聴者が知りたいと思っているからという代弁者の立場で鋭く切り込んでくる。

「RBCカナディアンオープン」でのローリーの主張は、選手としてミスをおかして苦しんだラウンドの後などは、選手に記者会見を拒否することを認めてほしいというものである。

しかしそれをすんなり認めてしまうと、試合についてのメディア報道は成績上位者の記者会見の内容とプレーだけで構成せざるを得なくなり、視聴者にとって興味深い内容にならない。負けた選手、失敗を犯した選手がその時を振り返るコメントが入ることによって、読者の共感をより引き出せる報道になるのではないか。

よく言われるのは、プロ選手にとっては試合後のインタビューを受けるのは大事な仕事のひとつであるということ。いい成績をあげたときもそうでないときも、インタビューを受けることはプロ選手としての責務である。

マキロイの「しゃべりたくないときは記者会見に出ない、それを認めろ。」という主張は、現在世界ランキング2位の選手という立場と影響力を考えると、大いに説得力に欠けるコメントである。