今週の米PGAツアーは、カナダのオンタリオ州でカナダのナショナルオープン「RBCカナディアンオープン」が始まった。
大会前の記者会見には、昨年のこの大会(開催コースは変更になっている)に優勝したローリー マキロイが顔を見せた。マキロイは先週の格上げ大会「メモリアル トーナメント」をスキップしたので、「全米プロ選手権」以来の出場となる。
マキロイは「全米プロ選手権」の大会直前におこなわれた抜き打ちトライバーテストで、使用しているクラブが不適合と判定され、その影響から47位タイという不本意な成績に終わってしまった。その前の月の「マスターズ」に勝ってキャリアグランドスラムを達成し、この大会でも優勝候補の一角とみなされていた。
マキロイは「全米プロ選手権」期間中試合後のインタビューを4日間拒否していたので、そのことが会見で話題となった。
マキロイは使用クラブが不適合と判定されたことにショックを受けたことは認めたが、それ以上にジャーナリスト2名にテスト結果が漏れたことに大いにショックをうけたと話した。USGAは今回出場者の3分の1の選手のドライバーをテストしたとだけ発表し、誰のクラブが不適合となったかは一切発表していない。
公表されることがないテスト結果が漏れたこと、そしてその中に自分だけでなくスコッティーシェフラーのクラブも含まれていたのに、自分の名前だけがメディアに流れたことに大いに動揺し、インタビューにはいっさい応じなかった。もし応じてしまえば、冷静な受け答えをすることがむずかしいと判断したと話した。
男子プロの選手が、そのクラブヘッドスピートで何万回となくボールを打てば、フェースの表面が摩耗し、インパクトの瞬間にたわむ量が大きくなる。メーカーから受け取ったクラブが使用しているうちに不適合となってしまう。
飛距離を伸ばそうと意図的に不適合のクラブを使用しているのではなく、気づかないあいだに使用しているクラブが不適合の状態になってしまうということだ。
しかし、事情をよく知らないファンにとって、不適合のクラブを試合で使おうとしていたという事実は好意的にはなかなか受け止められにくい。ファンがどう思うか、選手としては気にならないわけはなく成績に影響してしまう。
今回テスト結果が事前に漏れたことで、明らかにメジャー大会の成績が大きく影響をうけた。テストを実施するUSGAには、今回なぜ一部のメディアに情報がもれたのか徹底検証をおこない、けっして再発することがないよう対策を打ってもらいたい。