サウジアラビアの国営ファンドが財政的バックアップするLIVゴルフは2021年につくられて、今年が4年目のシーズンとなる。
発足当初に、ブルック スケブカ、ダスティン ションソン、ブライソン ディシャンブーらのスーパースター選手を破格の契約金で引き抜いて、米PGAツアーに対抗するツアーとしてスタートさせた。
トーナメントの日程は3日間、スタートは18ホールすべてのティーから同時スタートするショットガンスタイル、会場ではスピーカーでポップミュージックをがんがんに鳴らし若いファン受けのする雰囲気を作り出した。
しかし、ここにきてLIVゴルフの人気にかげりが見え始めた。今シーズンLIVゴルフと米ツアーが同じ週に開催された最初の7試合の平均視聴者数を比較してみると、CBSで放映される米ツアーは310万人で、FOXで放送されるLIVゴルフのほうはわずか12万5千人である。LIVゴルフの人気はテレビの視聴者数でみればたった18分の1だ。
それでも、世界ランキングの順位や過去のメジャー優勝の資格で4つのメジャー大会に出場できる選手には注目が集まるが、それ以外の選手にはLIVゴルフの試合で優勝でもしない限り、メディアで取り上げられることもない。
LIVに移籍後にメジャー優勝を果たしたブルック スケプカ、ブライソン ディシャンブーらも今年の成績はさえなかった。LIVゴルフの選手は日頃54ホールの戦いに合わせてからだを調整していくが、メジャー大会は4日間72ホールで彼らにとっては長丁場となる。LIVでプレーする期間が長くなればなるほど、54ホールの大会に慣れてしまって、「メジャー大会」で最後までふんばれない傾向が出てくるのではないだろうか?
敵対関係を改めてLIVの選手と米ツアーの選手が一緒にプレーできるツアーを新しくつくると発表されてから、もうすでに2年以上が経過した。しかし、いっこうに具体的な計画が発表されない。新規に加入する選手が最近ほとんどいないLIVゴルフは、年数がたてばたつほど選手の平均年齢があがってしまう。米ツアーのほうは若くて才能に満ちた選手が世界中からどんどん加わってくる。
LIVゴルフに移籍した選手にとって状況は悪化していくばかりだ。