いよいよ第45回「ライダーカップ」が始まる。欧州出身の選手が欧州を代表して、アメリカ出身の選手がアメリカを背中に背負ってチームとして対戦する。プロゴルファーは、いつもは個人としてプレーし自分のために優勝をめざすが、この大会では国・地域の名誉をかけて戦う。
お互い対等な立場で対戦をおこなうのがふさわしい「ライダーカップ」であるが、両チームの待遇には大きなへだたりがある。アメリカチームのメンバーには50万ドルが支払われる。前回大会までは20万ドルが選手の希望する慈善団体へ寄付するかたちであったが、今回は20万ドルが直接本人に、そして30万ドルが選手指定の慈善団体への寄付のかたちをとる。
しかし、欧州チームのメンバーに対しては報酬が用意されていない。欧州側はライダーカップが始まった当初の崇高な精神―お金のためではなく国の名誉のために戦うーを今も大切に守っているからと言われるが、「ライダーカップ」を共催するPGAアメリカとライダーカップヨーロッパ、2つの団体の財政的状況の違いが本当の理由だとされる。
アメリカサイドでは、プロである限り出場すれば報酬があるのは当然だという考え方の選手もいれば、無報酬で挑んでくる相手に対して報酬を受け取って対戦することはいさぎよくないと、50万ドルのすべてをチャリティーにまわすと公言する選手もいる。
勝敗のゆくえが楽しみである。
