先週(12/5 – 8)豪州PGAツアーで開催された「ビクトリアPGA選手権」で3位になったオーストラリア人選手アンソニー クウェイル(30歳)が話題になっている。
クウェイルは細身で長身の選手で、日本ツアーでもプレーしたことがあるので、ご存じの方も多いと思うが、今回7打もペナルティーを受けながら、堂々と3位に入ったのである。
クウェイルは試合前に配布されるローカルルールをしっかり読まずに、初日のラウンドをスタートした。悪天候が続いていたので、彼はコース全体を通して「プリファード ライ」が適用されているものと思ってプレーしていたが、同伴競技者との会話のなかで何かおかしいことに気づき、すぐに競技員を呼んだ。ローカルルールの規定によると、「プリファード ライ」が適用されるのは、あるホールのある一部のエリアだけだったのだ。
競技員と一緒にこれまでのプレーの中でどうボールを扱ったか記憶をたどってみると、4回ほどボールを拾っており、2回は拭いて数インチ以内の場所に置き、1回はボールがあった元の場所に戻し、もう1回はどこへ置き直したが記憶がはっきりしなかった。
ボールがあった場所に戻した1回については1打罰、それ以外の3回については誤所からのプレーということで2打罰、トータル7打罰を科せられることになり、初日66でまわったが73のスコアになってしまった。
7打罰をもらうと予選通過は絶望的となるところだが、クウェイルはうまく気持ちを切り替え、2日目は67のスコアでまわり予選を突破してしまった。
あとはもう、1度死んだ命のような捨て身の気持ちでバーディーを奪い、3日目に66、最終日は69でホールアウトして、優勝した選手にわずか2打及ばず3位入賞を果たした。
7打罰がなければ楽々優勝できていたのに、と見るか。いやいや7打罰があったからこそ3位入賞が可能となったのだとするのか。
やはり、3位入賞という結果がすべてであって、7打罰は何の意味も持たないのではないだろうか。クウェイル選手が、今回4日間戦うなかで精神的に成長したのであれば、これからの試合のなかで結果を出してくれることを期待したい。