先週の日本ツアーは、ナショナルオープンである「日本オープン」が開催され、プレーオフ1ホールめで原敏之(34歳)を破った片岡尚之(27歳)が優勝し、ツアー2勝目をあげた。
海外の報道をみると、片岡の大会前の世界ランキング順位にスポットが当てられたものが目につく。片岡の大会前のランキングは500位で、優勝したことによって今週の順位は355位に上がった。
世界ランキングの順位が注目される理由のひとつには、今年から「日本オープン」の勝者には、翌年の「マスターズ」、「全英オープン」への出場権が与えられることになったからである。マスターズ委員会とR&Aは、スコットランド、スペイン、日本、香港、オーストラリア、南アフリカで開催されるナショナルオープンの優勝者に翌年の出場権を与えることを決定した。
マスターズも全英オープンも、過去の優勝者などさまざまな出場資格を用意しているが、その中で一番ベースになるものは、世界ランキングで50位以内に入っている選手というものである。
果たして世界ランキング500位だった選手が、オーガスタナショナルGCや英国のリンクスコースに立っていったいどんな活躍をみせてくれるのか、少々懐疑的な見方をしている。
数年前に世界ランキングの算出方法が変更され、世界のトップ選手が集う米ツアーとDPワールドツアー(旧欧州ツアー)で獲得できる世界ランキングポイントが、それ以外のツアーで獲得できるポイントに比べて数段大きくなり、両ツアーへの敷居が高くなった。
世界各地のツアーでプレーする選手にもメジャー大会でプレーする機会を提供して、ツアーの分断を防ごうという配慮が働いたのかもしれないが、世界ランキング355位の選手がメジャーの舞台でリーダーボードの上位で活躍する姿を想像することは難しい。
世界ランキング順位は、2年間にわたってポイントの対象となる大会に出場した結果を点数化したものなので、本人のその時点での実力そのものである。なので、そんな世界ランキングの低い選手にメジャー大会のきっぶを与えることに意味があるの、という問いは理解できないこともない。
