米LPGAツアー

米LPGAツアーは、中国、韓国、マレーシアで試合をおこない、先週は日本で「TOTOジャパンクラシック」を開催し、その後アメリカ本土に戻る前に今週ハワイで「ロッテ選手権」がおこなわれた。

この「ロッテ選手権」で優勝したのは、アリン キム(A Lim KIM、29歳)だ。キムは2020年の「全米女子オープン」でメジャー優勝して以来、米LPGAで勝ち星がなかったが、4年ぶりの優勝となった。

同様に、LPGAでの初優勝がメジャー大会で、それ以降アメリカで優勝がない選手と言えば渋野日向子(25歳)もそうである。2019年に「全英女子オープン」で優勝後、21年に日本で2勝をあげているものの、米LPGAツアーでは優勝がない。

また、笹生優花(23歳)も2021年の「全米女子オープン」が米LPGAツアーでの初勝利でその後優勝がなかったが、今年の「全米女子オープン」で優勝を果たし、メジャータイトル2つ目を手にした。

渋野は米LPGAの通常の大会では、上位に食い込んで優勝争いを演じることはほとんどなく、今シーズンもベストが20位タイだが、不思議とメジャー大会では好成績をおさめている。「全米女子オープン」では笹生に次いで2位、「全米女子プロ選手権」では7位タイとトップ10入りを果たしている。2022年にもメジャーで4位タイと3位に入っている。

メジャー大会特有の厳しいコースセッティングが渋野の闘争心をかきたてるのか、世界のトップ選手が集いヒリヒリするような大会の雰囲気が本人に合うのかはわからないが、渋野はメジャー大会でいい成績を残している。

渋野は2019年の「全英女子オープン」に優勝したことによって、その後5年間はすべてのメジャー大会へ出場する資格を手に入れたが、それも来年いっぱいでなくなってしまう。米LPGAツアーの通常の大会で優勝を含めある程度の成績をあげないと、ツアーカードさえ失ってしまう懸念が生じる。

今年は笹生がメジャー2勝目をあげただけでなく、古江彩佳も「エビアン選手権」に勝ってメジャータイトルを獲得した。樋口久子以来42年ぶりに日本人女子としてメジャータイトルを手にした渋野の存在感もだんだん薄れてきている。

正念場となる2025年、渋野がどんなプレーを見せてくれるのか期待したい。