マキロイ マスターズ優勝

今季最初のメジャー大会「マスターズ」を制したのはローリー マキロイだった。試合の展開は予想もつかないハプニングの連続。マキロイの1番ホールでのダブルボギーに始まり、マキロイを追いかけるブライソン ディシャンブーが伸び悩み、11番第2打をグリーン左の池に入れダブルボギーとして優勝戦線から脱落。

大会初日に7アンダーのスコアで首位となったジャスティン ローズは、2日目は1アンダーで首位をキープしたものの、3日目に4オーバーとして首位と7打差の6位タイまで後退してしまった。

しかし、ローズは最終日に猛チャージをかけ10バーディー、4ボギーの66のスコアを出して、その時点でマキロイと並ぶ首位でホールアウトし、後続のマキロイを待った。

17番でバーディーを奪って、再び1打リードしたマキロイは、18番をパーで上がれば優勝をきめることができた。が、第2打目をグリーン右のバンカーに入れ、そこから寄らず、パットが入らずのボギー。勝負はマキロイとローズのプレーオフにもつれこんだ。

プレーオフは1ホールめ(18番、パー4)であっさりと決着がついた。ローリーが第2打目をピンから3フィートの位置につけてバーディーを奪い、バーディーパットをはずしたローズを退けた。

ウィニングパットを沈めたあとのマキロイのふるまいは実に感動的なものだった。こみあげる感情と涙を両手でおおい、グリーンにひざをついて額をグリーンにつけた。肩を震わせて嗚咽した。最後のメジャータイトルをとってからが本当に長かった。そのおもいがマキロイの体全体からほとばしり出たようだった。

マキロイは2011年に「全米オープン」、2012年に「全米プロ選手権」、2014年に「全英オープン」と「全米プロ」と、ポンポンとメジャータイトルを4つとった。このペースなら、メジャータイトル数でジャック ニクラウスやタイガー ウッズに並ぶような選手になると当時誰もが思った。

しかし、2014年の「全米プロ」以来レギュラーツアーの勝利は多数あるものの、メジャータイトルにはどうしても手が届かなかった。今回の「マスターズ」優勝は、実に11年ぶりのメジャー優勝となった。彼にとっては「失われた11年」と言っても過言ではない時の経過だった。

すでに35歳となったマキロイ、決して若い年齢ではなくなった。今後いくつメジャータイトルを獲得するのか見守っていきたい。