マスターズ優勝のゆくえ

マスターズ3日目のプレーが終了した。首位に立ったのはローリー マキロイだ。マキロイは初日パープレーで少し出遅れたが、2日目、3日目ともに6アンダー、66ともり返し、2位に2打差つけて最終日をスタートすることになる。

マキロイとは対照的に初日4アンダー、初日68のスコアで2位タイといいスタートを切ったスコッティー シェフラーは、2日目1アンダーのスコアで5位タイになんとか踏みとどまっていたが、3日目もパープレー(72)でスコアをのばすことができず、首位と7打差の6位タイまで順位を落としてしまった。マスターズ2連覇の実現はかなり厳しい状況となった。

マキロイと2打差の2位にあがってきたのは、LIVゴルフでプレーするブライソン ディシャンブーだ。16番のパー3では、1打目をピンそばにぴたりとつけてバーディー。18番はティーショットを左のバンカーに入れ、第2打目はグリーンに乗らず左側のカラーにとまってしまった。しかし、そこからかなり長いパットをねじ込んでバーディーを奪った。

あがり3ホールをすべてパーとしたマキロイに対して、2つバーディーをとったディシャンブーは、あすへ向けてテンションが相当上がっているに違いない。

マキロイとディシャンブーの対決と言えば、どうしても思い出されるのが昨年の「全米オープン」の最終日である。最終日バックナインに入って首位を走っていたマキロイは、短いパットを2つもはずし、猛チャージをかけるディシャンブーに優勝をさらわれてしまった。

あすのラウンドは、おそらくマキロイとディシャンブーの2人による優勝争いとなると予想されるが、上述の因縁があること、首位を守りきることよりも後方から追い上げるほうが気持ち的には楽なこと、そして35歳のマキロイに対してディシャンブーは31歳。このブログではディシャンブーが有利とみる。

ディシャンブーが勝てば、「全米オープン」2つに加え3つめのメジャータイトルとなり、マキロイがもし優勝すれば、それは2014年「全米プロ選手権」以来11年ぶりとなる5つめのメジャータイトルとなると同時に、4つすべてのメジャーに優勝するという「キャリアグランドスラム」達成という偉業となる。

これまでに成し遂げているのは、ジーン サラゼン、ベン ホーガン、ゲーリー プレーヤー、ジャック ニクラウス、タイガー ウッズのわずか5名の選手だけである。あす最終日の試合を見守りたい。