プロゴルフの新しいかたち

タイガー ウッズとローリー マキロイがリードする新ゴルフリーグ戦(TGL、旧TMRWリーグ)については、以前このブログで紹介した。

https://worldgolfinformation.com/2023/11/01

米PGAツアーに所属する選手たちのなかから選ばれた選手が4人ずつのチームとなって、アメリカの各都市を本拠地として1対1で勝敗を競う。試合は平日の夜のゴールデンタイムにおこなわれ、テレビ中継される。

これまでに5つのチームのメンバーと本拠地が発表されていたが、最後となる6番目のチームが発表された。そのチームはサンフランシスコのベイエリアをベースとし、ウィンダム クラーク、ラドビグ アバーグ、シェーン ロウリー、ミンウー リーの4名からなるチームだ。

クラークは昨年の「全米オープン」チャンピオン、アバーグは先月の「マスターズ」で2位になった赤丸急上昇中の若手選手。ロウリーは「チューリッヒクラシック」でローリーと組んで優勝した選手だ。

TGLリーグはもともと今年の1月から始まる予定だったが、会場が建設中に倒壊して丸1年の延期がきまった。ゴルフはインドアでスクリーンに向かって打っていくスタイルで、パットのみ実際にグリーンでおこなわれるが、そのグリーンは油圧制御によってアンジュレーションを思うままにつくることができる。

LIVゴルフが初めてプロゴルフ界に取り入れたチーム対抗戦形式でプレーをおこない、シーズン終了時には上位チームによるプレーオフも計画されている。

プロゴルフは個人戦として4日間プレーして勝敗をきめる。1つの試合が4日間も続くのは長すぎるし、個人の選手が対象だと組織的に大規模にバックアップ、応援をすることができない。そこでチームを編成し、フランチャイズを決めてその都市をベースに活動する。その街で試合をおこなうときは、熱狂的サポーターが応援するなかで選手たちはプレーする。

将来は、プロゴルフもアメリカのプロ野球、プロフットボール、プロバスケットボールのような試合形式、リーグ運営、サポーターの在り方を目指していくようである。

しかし本当にうまくいくのだろうか?ひとつ成功の障害となりそうだと危惧されるのは、4つの長い伝統をもつメジャー大会の存在である。おそらくメジャー大会は、これまでどおり個人戦として継続されていくだろう。そして、チームに属してチームで戦う選手にとっても、メジャータイトルが究極の目標であることにかわりはないはずだ。