本日より、米PGAツアーの「ZOZO選手権」が日本で始まる。大会の概要については21日のブログに書いた。
https://worldgolfinformation.com/2024/10/21
第6回目となる今年の大会をもって、契約年数が終了するためZOZOはスポンサーを降りることが決定しているせいか、海外のゴルフサイトではこの5年を振り返る内容の記事が多く見られる。
米PGAツアーの公式戦が初めて日本で開催されるということで、2019年の初回大会は大きな注目を集めた。その準備は1年以上前からおこなわれており、当時ZOZOはタイトルスポンサーになる条件として、タイガーウッズを出場させることを挙げたといわれている。そのころのタイガーは、数々の怪我からやや回復基調にあるものの、まだ本調子をとりもどせてはいなかった。
しかし、タイガーは2018年PGAツアーのシーズン最終戦「ツアー選手権」で5年ぶりの優勝を果たし、翌年4月の「マスターズ」で4回目の優勝を決め、完全復調したことを世界にアピールした。なので、ZOZOがタイガーにこだわった戦術は見事に的中したことになる。
また、日本で初めての米ツアー大会ということで、タイガーだけでなくローリー マキロイ、ジェイソン デイ、トミー フリートウッド、アダム スコット、この年の「全英オープン」に優勝したシェーン ロウリイ、松山英樹ら当時の世界トッププロも多数出場した。
しかし、大会は大型台風の影響で2日目の試合が中止となり、土曜日は安全上の理由から観客を入れずにおこなわれた。また、最終日のバックナインが雷雨のため中断し、マンデーフィニッシュとなることを余儀なくされた。
そんな中でも、初日から安定したプレーを続けたタイガーが、月曜日に優勝トロフィーを手にした。そしてその優勝は米PGAツアー通算82勝目となり、サム スニードがもっていた最多優勝記録に並ぶ偉業の達成となった。
観客を4日間十分に入れることができなかったこと、台風の被害の修復に手間がかかったこと、試合の進行が変則となってマンデーフィニッシュとなったことなどで、興行的には厳しい結果に終わったであろうが、主催者が強くこだわったタイガーが優勝して幕を閉じた「ZOZO選手権」は、その意味では成功だったのかもしれない。
もうこれから先、日本で世界のトッププロを見る機会はなくなってしまうかもしれない。今回しっかりと脳裏に焼き付けておきたいと思う。